イギリスにしばらく住んでみて、以前のせわしない旅行だけでは気付かなかった素敵な習慣がいくつもあります。その一つが、ベンチ・・・。
イギリスには、緑あふれる公園やお庭・・・、眺めのいい所がたくさんあります。
そして、そんな場所には、たいてい、ベンチがあちこちに置かれています。
グリーンに馴染む、さりげない木製のベンチ・・・。人々は、そこに腰掛け、うつろいゆく時間をのんびり楽しみます。
実はこれらのベンチは、故人をしのぶ遺族が、その思い出の場所に寄付したものがほとんどなのです。

プレートや、直接ベンチに彫られた言葉から、その思いを知ることができ、とてもせつないような、温かいような気持ちになります。右の写真は、
「アッシュダウンの森を愛した、ジェーン・コリンズの思い出に・・・」
ベンチに座って同じ景色を眺めていると、その故人の愛したであろう、自然の美が変わらずにいてほしいと願わざるをえません。
この、寄付ベンチ(Bench Donation) の習慣、
映画「ノッティングヒルの恋人(Notting Hill)」では、ジュリア・ロバーツ演じるアメリカ女優の”アナ”と、ヒュー・グラント演じる、ロンドンの本屋”ウィリアム”
が、プライベート・ガーデンに忍び込むシーンでも、夫婦間の永遠の愛を象徴する小道具として登場しています。見た当初は、わざとらしい演出に感じたのですが、実はイギリスの素敵な習慣でありふれた光景だったのです。ちなみにこの映画、見返してみると、なるほどと思うイギリスらしさが随所に溢れています。我が家の旦那さんは、もう5回は見ているほど、この映画の大ファン・・・。イギリスが出てくることもありますが、そもそもヒュー様・ファンらしく(笑)・・・。
いやらしい話、このベンチの寄付金、それぞれの地域によって種類や金額はいろいろですが、ある自治体のサイトでは写真のようなもので650ポンド(約10万円)ほどでした。亡き人の思いを託す場所が、緑あふれる自然の中・・・イギリスらしい価値観からくる習慣だと思います。











