実は、ここまでダンスにハマってしまう2年ほど前までは、どちらかというとインドア派で、一番の趣味は銅版画でした。横浜美術館の「市民のアトリエ」という開放されたスペースで、細々と銅版画を6、7年ほど続けていました。よくモチーフにしていたのは、桜木町・野毛山動物園の動物たち・・・。”銅版画”とは、一番身近なところで、小・中学生の頃一度はやったであろうエッチング、山本容子さんの楽しい作品などが思い浮かぶかと思います。銅の板をニードルで引っ掻いたり、液体で腐食させて傷をつけ、そこにインクを詰めてプレス機で刷り取る、凹凸版のうちの、凹版にあたる版種です。
浮世絵など木版画が主流だった日本に比べ、ヨーロッパでは古くからこの銅版画が多く作られてきました。
絵画に比べて、モノクロの作品が多く、地味な感じはしますが、線にはただペンで描くのとは違う味わいがあり、紙へのインクのにじみにも奥深いものがあります。また、版を削ったり、磨いたり、ちょっぴり職人的な作業が、モノ作りの楽しさを感じさせてくれます。
何より、静かなアトリエで、じっくり自分と向きあう時間が心地よくて、長く通っていたのですが、ダンスに夢中になってしまって、ここしばらくご無沙汰していました。
こちらでは、無職で時間もそこそこあることですし、ダンスと共に、また版画を再開したいと思い、家から近そうなワークショップを探して見つけたのが、バス・地下鉄で4、50分ほどのウェストボーン・パーク(WestBourn Park)駅にある、非営利施設ロンドン・プリント・スタジオ(Lnndonn Print Studio)でした。
だいたいの工程は日本もイギリスも共通だと思うので、会員になってアトリエを予約し制作すればいいのでしょうけど、英語もわかりませんし、身体に有害な物も扱うので、念のため5回コース・117.45ポンドのエッチング講習を受けることにしました。
”銅版画”とひとくくりに言っても、いろいろな技法があるので、それらを順番に教えてもらいます。基本をもう一度おさらいできますし、写真製版はこれまでやったことがなかったので、これからが楽しみです。
1.ハードグランド/ソフトグランド (Hard & Soft Grounds)
2.アクアチント (Using Aquatint)
3.写真製版 (Printing Photographic Images)
4.多版刷り/多色刷り (Multi & Colour Printing)
5 版画・刷りの技法? (Printing Methods)
今日はその初日。
受講者は、リタイヤして悠々自適な感じのオジサン2人と若い女の子2人、中国系の若い男の子と私、の計6名。定員いっぱいです。先生は
背の高い物静かな白人の男性でした。横浜では普通に銅版しか使ったことがなかったのですが、こちらで銅版は「版画に最適だが高価」ということで、「柔らかく、もろいがより安価」な亜鉛版をよく使うようです。今回の講習会でも亜鉛版を使用しました。先生の英語は、クリアに聞き取れないながらも、経験からだいたいの内容はなんとか理解できてホッとしましたが、受講者の人達とのやりとりに四苦八苦・・・。私が発しているのはほとんど単語だけでしたが、皆さん優しく、お互い譲り合って作業ができました。
基本はほぼ同じでしたが、細かい部分の処理が違い、やはり受けて良かったと思いました。
この日は旦那さんの上司ご夫婦との会食もあり、ひとり早く抜けなければならなかったので、一番版画でワクワクする”刷り”まで到達できず・・・私だけ来週に持ち越しになりましたが、やはり、物を作ることは、ダンスとはまた違う楽しさ!そしてやはりアトリエは心落ち着く空間でした。
長らく絵を描いていなかったので、その場いきなりでは、なーにも浮かばず。苦し紛れに、持っていたリンゴと自分の手を描いてみましたが・・・ブログに載せるのも恥ずかしいほど下手っぴー・・・(苦笑)。でも、版画は刷ってみると下手でも味わい深かったりするのがまた面白い所なのです(笑)。なーんて。London Print StudioのHP
http://www.londonprintstudio.org.uk/index.html
↑アラブ人の多い地区なのか、街にアラビア文字が目立ちます。
銅版画・・・自分と向き合える時間って素敵だなあ。
返信削除自分の好きなことをする時間は、すこしずつ増えてきたけど、静かに自分と向き合う時間なんてないかも。
それこそ、ダンスと同じく、作品の出来上がり具合だけじゃなく、そこにたどりつく時間も素敵な時間だね。
そうなのですよ! 版画は制作過程も楽しみのひとつです。ダンスが外に向かう自分だとすれば、版画は内に向かう自分・・・、結局は、自分が何を求め、表現しようとしているのか、という点では同じなのですが、両方必要で、大切にしたい時間ですね。
返信削除確かに・・・ 外に向かう自分と、内に向かう自分ね。うまい事を言いますなあ。 目下のところ、ダンス以外は、音楽と読書という平凡は趣味ですな、わたくち。しかも読書は、ハードボイルド、ミステリー系にほぼ限られます。
返信削除私も、静かにじっくり自分と向き合う・・・っていうのは、ないなぁ。
返信削除家の中で、ビーズや編み物したりする時もあるけど、(娘が小さい頃は、よく洋服なんぞ作ったけど)そんな時でも、横ではノリノリの曲が、ガンガンかかってるし・・・
私は、いろんなことを同時に処理する能力がないだけですよ。読書は考えながら読むとすごく遅いし、音楽を聴きながら作業すると、手が止まってしまうので。
返信削除ダンス仲間のみなさんは、ダンス以外に一芸もっておられるので、すごいなぁ、といつも感心してます。ビーズや編み物・・いつも途中で放ったらかし。完成品なし。
ハードボイルド、ミステリー・・最後まで読みきれず、最後から読んだりする最悪の読み方をしたことも。。
要は、自分には根気がないのです。なのに、ダンスと版画だけは続いているのがフシギ。やはり向き、不向きがあるんですかね。。