

1週間ほどフランスのノルマンディーを旅行している間に、イギリスに総選挙の日がやって来ました。5月6日(木)の投票日が決まってから、一時マスコミの報道は選挙一色になったものの、アイスランドの火山噴火にすっかりニュースの主役を奪われていた感がありましたが、そちらが落ち着いてくると共に、数回にわたる各党首同士のディベート番組や、それぞれのパフォーマンスや発言がクローズアップされてきました。
今回の総選挙は、ブレア以来13年にわたる労働党政権から、保守党に交代するか否かが焦点になっている、イギリスにとって大きな転機が見込まれる選挙。
我が家は納税者ではありますが、イギリス国民でないため、当然ながら選挙権はありませんが、毎日のように各党首の顔がテレビに映し出されていると、嫌でも興味が出てきます。
イギリスは完全な小選挙区制。小さなエリアに分けられ、そのエリアごとに1議席ずつ、最多得票者が選出されるというもの。我が家は”Brentford & Isleworth”という、10km×2km程度の文字通り小さな選挙区。
日本の選挙活動と違うのは、うるさい宣伝カーが走らないこと! あちこちに候補者のわざとらしい笑顔のポスターがほとんど貼られないこと。せいぜい家のポストに投げ込みのパンフレットが入る程度です。もちろん候補者は、戸別訪問や、街頭演説もしますし、ニュースや新聞は選挙一色となり、すごい情報量になりますが。


選挙前の調査からも、野党・保守党の優勢が伝えられていましたが、党首のディベートで名を上げたのが、2大政党の労働党(Labour Party)ブラウン首相(写真上左)、保守党(Conservative Party)デビッド・キャメロン(写真上右)、のどちらでもない、第3の党、自由民主党(Liberal Democrats)の党首、ニック・クレッグ(Nick Clegg)。
逆に与党のブラウンはディベート後のアンケート結果も芳しくなく、オフレコだと思って口走った有権者の悪口を、外し忘れたマイクに拾われ、マスコミからキビシく追求を受けるはめになり、ますます支持率低下・・・。
実は私、イギリスには政党が2つしかないと思ってきたのですが、今回の選挙で他にもいろいろあることを初めて知りました。


選挙当日は、朝からニュースで「投票に行きましょう。」という呼びかけが。
基本的に、選挙の形式は日本と同じ様ですが、公民会や学校が投票所になる日本に比べ、イギリスの投票所(Polling Station)は、それ以外に、教会やパブ、中には素敵なお城や車のバン、という地域も(笑)。我が家の近くも教会が投票所になっていたのが面白い・・・。
夜10時が投票締め切りでしたが、駆け込み投票の長い列がさばききれず、時間切れで投票を断られた有権者達が、投票所の担当者に詰め寄るなど、多少の混乱がありながらも、開票が進められました。
結果、一夜経った今のところ、予想通り保守党が労働党の得票を上回りながらも、全650議席の過半数326には満たず、労働党の議席を90議席ほど奪った程度の306議席。与党・労働党は258議席を確保。
期待された第3の党、自民党も思ったほど得票が伸びず57議席。
絶対多数の党がないこの状態を、”宙ぶらりんの議会(Hung Parliament)”というようで、1974年以来数十年ぶりの政治的混乱とか。





テレビの選挙速報では、労働党の赤、保守党の青、自民党のオレンジ、とそれぞれの政党のイメージカラーに合わせた色分けで、獲得した選挙区がわかりやすく地図や表にされ非常にビジュアル。開票が夜10時以降のため、BBCでは徹夜で翌日の夕方まで放送していました。
開票結果は、全候補者の前で読み上げられます。候補者が各々の事務所で結果を待つ日本と違います。
面白いのは、イングランド中・南部は保守党支持、イングランド北部や、より北のスコットランドへ行くほど労働党や自由民主党支持が増えること。イングラン ド北部出身の英語の先生は「サッチャー(保守党)はヒトラーの次に嫌いだ。」と言っているぐらいです。
この曖昧
な状況で、今後の政権の行方を握っいるのは、第3党の自民党、ニック・クレッグ。(クレッグ、保守党キャメロンとも43歳・・・若い!!)当然、労働党、保守党とも自民党と組み、連立政権を目指そうとすることが考えられるからです。
クレッグ氏は「最多数の議席を獲得した党が、政権を取るべき。」との発言をしていましたが、どうなるのか。。。
ロンドンは保守党の強い南部にありながら、これまで労働党の強い地域でしたが、今回は、保守党に寝返る選挙区が多数。我が家の選挙区も、労働党から保守党の議席に代わりました。この辺は現在ヒースロー空港の拡張計画に含まれており、実行が決まれば我が家の真上にも飛行機が飛ぶことになることも大きな要因だったのかもしれません。
経済、教育問題以外にも、ブレア時代、積極的にとられて来た移民政策の見直し等も大きな焦点になっています。
果たして、これからダウニング街10番地の首相官邸に入るのは誰なのか?・・・キャスティングボードを握る自民党がどちらにつくかが、にわかに注目を集めている、今回の総選挙です。
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