2009年6月15日月曜日

ノルウェーの旅 6/11~16 ムンク「叫び」の風景 

美術に興味のない人でもたいがい知っている絵といえば?・・・ダ・ビンチの「モナ・リザ」以外に、ムンク(Edvard Munch)の「叫び(The Scream)」もランク・インするのではないでしょうか。

ムンクの絵は、「死」や「不安」といったネガティブな題材が多く、画面が青白くて病的・・・、見た後必ず気分が落ち込んで、気持ち悪くなってしまい、これまでどうしても好きになれませんでした。
でも、わざわざノルウェーまで来て、国を代表する画家のオリジナルを見ないで帰るわけにはいきません。オスロの国立美術館や、ムンク美術館では、ムンクの作品をたくさん見てきました。

81歳で亡くなるまで描き続けたムンクの作品には、意外にアカデミックで正統派な作風のものや、明るい色彩のものもたくさんあり、ちょっと驚き・・・病弱で死の不安を感じながら、心の闇を描いていた、というイメージだけではないことがわかりました。
また私自身、夜中でも薄明るい白夜前の青い空気と、人間の力では抗し難いフィヨルドの険しい自然を実感した後では、その青みの強い色彩や、生命観にも納得・・・。今回、決して気分が悪くなることはありませんでした。

オスロのはずれ、エケベルグ(Ekeberg)という地区には、この「叫び」のモチーフになったとされる場所があります。「叫び」の時間に合わせて、日没前の夜10時頃、オスロ駅前からバスに15分~20分ほど揺られて行ってみました。
降りたバス停は、樹が生い茂る何もない坂道・・・こんな時間にそんな場所を歩いているのは我らだけ・・・ではありませんでした(笑)。ちょうどオスロフィヨルドとオスロの町が一望できるこの丘の中腹には、(たぶん夕日を見るためで、ムンクが目当てではないあろう、笑)カップルや、タクシーで乗りつけた観光客がすでに数組・・・。暮れ行くオスロの景色を眺めて楽しんでいました。

「私は二人の友人と、歩道を歩いていた。太陽は沈みかかっていた。突然、空が血の赤色に変わった。私は立ち止まり、酷い疲れを感じて、柵に寄り掛かっ た。それは炎の舌と血とが、青黒いフィヨルドと町並みに被さるようであった。友人は歩き続けたが、私はそこに立ち尽くしたまま不安に震え、おののいていた。そ して私は、自然を貫く果てしない叫びを聞いた。~ムンクの日記~」

この日は雲が多く、ムンクが見たであろう、血のような真っ赤な夕暮れ・・・とはいきませんでしたが、空の表情の重苦しくも美しいこと・・・雲間から差す夕日の色は何とも言えませんでした。「自然を貫く果てしない叫び」・・・が聞こえた?!
(←写真左下: 一応「叫び」の碑がありました。) 

8 件のコメント:

  1. 「叫び」の碑錆びてる???(笑)

    きましたね~ノルウェー。
    深いですねえ、ムンク。
    彼、明るい時期もあったんですよね。
    芸術家さんってどこか、貫けている感性がありますね。
    同じものを見ても、感じ方が全然違う。
    ネガティブにもポジティブにも…
    迷いながら突き詰めてしまうのか?

    北欧といえば、家具やファッションなど華やかな部分が
    注目されていますが、人間の到底及ばない、大自然!
    今の季節ではムリだけど、更に北に行けばオーロラもね。
    自分の存在なんて、ほんのちっぽけなものに感じられて、
    くよくよするのもバカらしくなりそう。

    大自然に囲まれると、自分がちっこく思えるけど、
    気持ちはとてもおおらかになれますよね。

    いいなあ、ノルウェー!

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  2. この自然環境ゆえか、やはりノルウェーの人は総じてクールな人が多かったように思います。あまり喜怒哀楽を表に出さない、というか。目が合っても、笑顔でなく、どちらかというと、相手を探るような鋭い目つきをされました。多少アジア人だから、というのもあるかもしれませんが・・・。少なくともイタリアなどラテンの国に見られるような、開けっぴろげな雰囲気はありませんでした。

    オーロラも見てみたいですね。でも、寒いの苦手だしなぁ・・・。ノルウェーも思ったほど寒くはありませんでしたが、やはりロンドンよりもさらに涼しく、4、5枚着込んでました(笑)。

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  3. 聞き損ねたので、お尋ねします。
    個人的興味からですが…
    フィヨルドはどこにいかれましたか?
    ソグネフヨルドですか?
    船に乗ったのかな?

    クールな国民性ですかぁ。
    日本人のように、多少恥ずかしがりぃなところも
    あるのでしょうか。
    めいさんの知る、北欧の人や、北欧のPOPS、
    暖かいものがあふれているのだけど。
    表現下手なのかもね。
    国民性って、気候に影響されるのかなあ?

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  4. はい、ようやく前の日付でアップしましたが、フィヨルド初心者なので、まずはソグネフィヨルドに行ってきました!
    「オスロ→鉄道~フィヨルドクルーズ~バス・鉄道→ベルゲン」、というゴールデンルートのチケットのセットがあるんです。色々なメニューがありますが、その中でもやはり一番メジャーなルートにしました。Nutshellという会社ですが、サイトはちゃんと日本語も用意されています。

    私も北欧デザインの温かい雰囲気、大好きなんですが、実際行ってみると、人に対しては、イギリスであまり感じたことのない近寄りがたさを味わったのですよね・・・。
    でも、通り掛かる家はどこもステキで、きっと内側は家や家庭を大切にする温かい人達なのだろう、と思うことにしました。

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  5. お~~~ ホンマにゴールデンルートですね。
    憧れますわ。
    すっごい勉強しましたから…(笑)
    そにぶん、実際行って本物を見たくなります。
    知識は商売道具ですから、ふふ。

    いろいろな意味でよちだちゃんのブログは
    刺激をくれますよ。ほんま。

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  6. 勉強って、旅行業務管理取扱者の資格持ってるんですか?すごーい!
    実際現地に行った時に知識の裏づけがあると、より楽しめるでしょうね。
    フィヨルド・クルーズに最適な夏はかなり混み合っている、とはあったものの、日本の観光地のように大行列を作ったり、渋滞したり、そんな場所は一つもなく、のんびりしたもんでした。

    もし旅行の際は、すぐクルーズ船に乗らず、どこか途中で1泊して、周囲を散策することを、ぜひオススメしたいです!
    クルーズ船がたくさん行き来する、昼間の賑やかなフィヨルドとは違った、険しく静かで神秘的なフィヨルドを体験できますから!!

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  7. いや、勉強というのは・・・
    知識がないと、商品は売れません。
    そのエリアのよさも、その逆もちゃんと説明できないと、
    サービスではありませんゆえ。

    今は、裏方なのでもう、あまり勉強はしませんが・・・

    旅行業、よりよいサービス、情報を提供するには
    勉強したもの勝ち。形が無いものを売るには、ちゃんと
    説明できないとね。
    現地のことを何もし知らないスタッフって…頼りないでしょ。
    まかせる気にならないもんね。

    資格の有無はあまり意味がありません。
    いちお、取りましたが…

    話それましたね。

    ベルゲンからフロム鉄道、ルート丸覚えするまで
    お勉強。フィヨルドの名前もなかなか覚えられなくて。

    旅行は仕事で行くより、自分でお金はらって
    行ったほうが、ぜったい楽しいよ!!

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  8. 確かに、お客さん相手の商売は、自分が自信を持って応対できないと、絶対その不安が出てしまうし、信頼してもらえませんからね。日頃の勉強など積み重ねが必要だと思います。
    私がいた郵便局の場合は、お客さんのお金、めいさんの旅行業の場合は、身の安全や限られた時間・・・どちらもお客さんの大切なものを預かる商売ですから、よくわかります。

    確かに、何の関係もないものを覚えるって大変です。世界史や地理も、実地で身を持って体験すると、全く違いますね!

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